現在Google Calendaには予定をExcelで開く形式にエクスポートする機能がありません。これができると会議の予定をリスト化して整理したり、勤怠報告をGoogle Calendarのスケジュールから作成したりといったことができます。
be8hours.comのics2csvを使うとGoogle CalendarからICSファイルをエクスポートした後CSV形式に変換することでExcelで開くことができます。
なお、be8hours.comはICSファイルからCSV形式に変換するのでGoogle Calendarへのアクセス権を与える必要はありません。
手順は以下です
Excelの表で1予定1行の形式でカレンダーを見ることができます。
ソフトウェア工学における過ちの一つに、プログラム言語で記述することを自然言語で詳細に記述したドキュメント、いわゆる詳細設計書を作ってからプログラムを書けば間違いが少なくなり、内容を専門家ではない人も理解でき、保守性があがる。というものがある。
これは本当に大きな間違いだ。プログラムを先に自然言語で記述したところで何一つ簡単にはならず、それどころか分かりにくくなるのだ。
具体的な例で見てみよう。プログラムと同じように論理を扱う数学では記号を使うのが一般的である。なぜ数学者は以下のような代数学の問題を自然言語でなく、記号で数式を表すのだろうか?
例
x^2 + 21 = 10x
xの解を求めよ
このような代数学の問題を自然言語で表したならどうなるだろう?
数学の歴史において、数学記号が発達する以前には上記のような問題は自然言語で記述されていた。9世紀前半の数学者モハンマド・ベン・ムサ・アル・フワーリズミは「アル・ジャブルの書」の中に先の問題と解法を以下のように書いている(当時の解法なので現代の数学記号の操作によるものとは幾分異なる)。
“””
...たとえば「正方形と数21の和が同じ正方形の根の10倍に等しい」、これはすなわちある平方量で、21ディルハムをつけ加えるとその平方量の根の10倍に等しくなるようなものは何でならないか、ということである
解法 根の個数を半分にすると5になる、これをそれ自身と掛けると25になる, これから平方と結びついた21を引くと,残りは4である。その根を求めると2である。これをもとの根から引き去ると残りは3である。これが求めていた平方の根であり、平方は9である。根の数に新しい根を加えてもよく、和は7になりこれももとめていた平方の根であり、平方自身は49になる。
“””
解析教程<上> (著), Ernest Hairer (原著), Gerhard Wanner (原著), 蟹江 幸博 (翻訳) 出版 シュプリンガー・フェアラーク東京 (1997/10) より
何か分かりやすくなっただろうか?ならないはずだ。おそらく数式を理解できた人でも難しく感じ、数式を理解できない人にはさらに理解のできないものになったことだろう。
この例からわかるのは、抽象的な論理概念を自然言語で書いたところで何一つ簡単にはならず、それでいて記述量は何倍にもなり、しかも専門的な知識を持つ人以外には理解できないということである。
数学が難しいのは記号を使っているからではなく、扱っている概念そのものが難しいからなのだ。
これはプログラムと詳細設計書の関係と同じである(プログラムレベルの詳細設計を書かされた経験のある方はフワーリズミの文が詳細設計の文章に似ていると感じたかもしれない)。詳細設計書を書いたところで何かが分かりやすくなるわけではない。すぐにでもプログラミングレベルの詳細設計書を書くことはやめよう。
なお、アル・フワーリズミは「アルゴリズム」の語源になった数学者でもある。なにもプログラミングにおけるアルゴリズムの語源がフワーリズミの名前にあるからといって、記述方法まで当時の方法に従うことはないはずだ。
最近少し写りの良いカメラを買いたくなったのでSONYのα6300を買いました。
Olympus PL1 以来の一眼カメラなので性能や画質に関してはまったく申し分がないです。
買ったレンズとアクセサリーはこちら
Lowepro カメラバッグ アドベンチュラTLZ 20 2 1.6L ブラック
b-grip UNO 小型軽量カメラホルスター
レンズは単焦点のSEL35F18
とキットレンズのSELP1650
で十分かなと思っていたのですが、結局標準ズームレンズのSEL1670Z
も買ってしまいました。やはりキットレンズの写りに少し不満があったので。上手に使えばいいのでしょうけど。
もう一つズームレンズを買った理由としてはソニーのミラーレス機の特徴としてレンズを外すとミラーがなくて撮像素子がむき出しになる上に開口部から撮像素子までの距離が短いので、レンズ交換の時にゴミが非常につきやすいということがあります。
なので屋外だとレンズ交換はかなり気を使います。なお、私は屋外での交換を諦めて出かける前にズームか単焦点かを決めて交換してから出かけるようになりました。
LoweproのカメラバッグTLZ 20 2 1.6LはSEL1670Z
をα6300につけた状態でちょうどよく収まるので買いました。持ち歩く機会が増えるとぶつけてしまうこともでてくるのでやはりカメラバッグは必須です。思った以上に便利だったのがb-grip UNO、これがあるとカメラをバッグのストラップや腰のベルトにとりつけることができ、カメラをバッグから取り出す手間が省けるので写真を撮る機会が増えます。どんなカメラでも持ち歩いてシャッターを押さないことには意味がないのでデジタル一眼を買ったらカメラホルスターも買いましょう。
最近はフルサイズ機に注目が集まっているSONYのデジタル一眼ですが、APS-Cもいろいろ機能が盛り込まれていてアマチュアには楽しいカメラになっています。中古レンズをアダプターを介して楽しむこともできるので長く楽しめそうです。
ソフトバンクが3.3兆円でARMホールディングスを買収したというニュースが報道された
http://toyokeizai.net/articles/-/127824
ソフトバンク株は下がっているが、この買収はソフトバンクの将来にはともかく、日本にとっては日本からほぼ失われていた組み込みLSIやCPU設計の技術を取り戻すチャンス、少なくとも日本のハードウェアエンジニアが経験を積むチャンスになるので喜ばしいと思う。
ソフトバンクはARMの経営は今まで通りイギリスで行うと発言しているけれども、こういう時は状況を把握しておくために日本人も一部送り込まれるものなので。
この案件がうまいなとおもったところはSoftbankであればARMを買収しても今まで通り中立的な立場でARMはビジネスをできるであろうこと。
ARMは中立的な立場でいるのが売りなので、たとえ買収を行う資金力があっても、GoogleやAppleが同じことを行うとすぐに他のプレーヤーが独占を警戒して別なCPUアーキテクチャを作る動きが発生してしまい、結果的にARMの価値を著しく毀損してしまうのに対し、Softbankは数少ない買収する資金力が十分にあって立場上も問題ないプレイヤーであった。そのことを孫さん自身が理解していて、このタイミングで買収を決定したというのが本当に凄い。
「江戸しぐさの終焉 (星海社新書)」は江戸しぐさが歴史的な事実に基づいたものではなく、戦後になってから芝三光という人によって創作されたものだということを指摘した同じ著者の前作「江戸しぐさの正体」(2014年発売)の続編。
前作「江戸しぐさの正体 教育をむしばむ偽りの伝統 (星海社新書)
」が江戸しぐさとしてあげられている習慣がいかに江戸時代の実際の習慣としては不自然かというところに焦点が置かれていたのに対して、今作では江戸しぐさの歴史、そして現在がテーマになっている。
前作の公開から様々な資料が集まったのか、芝三光の半生や芝三光の作った「江戸の良さを伝える会」の活動についても詳しく書かれており、江戸しぐさの歴史が詳細にわかるようになっている。偽の歴史を作った人がここまで詳しく没後に調査されることも珍しいのではないだろうか?
芝三光亡き後も晩年に教えを受け継いだ企業コンサルタントの越川 禮子やその周辺の人々が江戸しぐさを広めていくあたりも詳しく書かれており、偽の歴史がどのようにして「常識」や「マナー」として広まっていくのかという興味深い事例になっていると感じた。
Lektor 2.0 (リリース後若干のfixを経てv2.2) が2016年4月11日にリリースされました。
バージョン1.x系の最後のリリースであった1.2.1からたくさんの機能が追加、もしくは改善されました。
嬉しいことに日本語の翻訳も入りました。テックな人でなくても使えるアドミンインターフェースがあることがLektorの売りのひとつなのでこれは大きいです。
私ごとですが私のPull Request (翻訳を一字修正しただけ(:-P) も入りました。初めて使ったのですがGit Hub便利ですね。 https://github.com/lektor/lektor/pull/184/files
その他追加機能の詳細は以下のLektorのオフィシャルブログの投稿に書いてありますので気になる方はご一読を
https://www.getlektor.com/blog/2016/4/lektor-2-released/
Lektorの使い方を解説するページを作成中 。書きながら最初Lektorを使った時ははまりどころが多くてかなり大変だったことを思い出した。
公式のドキュメントはLektorのAPIやカスタマイズの解説に力点が置かれているので、普通にLektorをインストールしてWikiやBlogを書いてみようという人向けにしてみた。
kentaro0919さんのコミットによりLektorのadmin画面で日本語がサポートされるようになりました \(^O^)/
ただ、プロジェクトファイルの言語設定で `primary = yes` が日本語に設定されているとadmin画面が日本語になるようなので、webサイトは日本語だけどadminは英語にしたいというケースで困ることになりそう。
複数の国籍の人で利用していると英語のadminメニューは日本人も含めて全員わかるけど、日本語のadminメニューは日本人しかわからないというケースは結構多いので。
P.S (2016-03-25)
--language オプションを使って lektor --language en server
でserverを起動することでadminが英語表記になります。
なお、Lektorのgitバージョンを利用している人はgit pull
でのアップデート後にLektorのトップディレクトリでmake build-js
とするのを忘れないようにしましょう。忘れているとadmin画面を開いたときに
"Loading Interface ..."
と表示されたまま先へ進まなくなります。
(githubに上がっていたエラーレポート)
https://github.com/lektor/lektor/issues/148
以前作った Lektor の root-relative-path プラグインを GitHub 上に公開しました。
https://github.com/a2csuga/lektor-root-relative-path
このブログの上部にも表示している
Top Page >>blog
のようなナビゲーションを作成することができます。
『非常識な建築業界「どや建築」という病』森山高至 を読んだ。
著者が新国立競技場問題でザハ案が実現不可能であることや、コンペの問題点などをTwitterやBlogで発信されていたのを以前読んだことがあったので買ってみた。
内容は新国立競技場の問題よりも、現在の建築業界が意匠重視に偏りすぎていることの問題点やゼネコンの現場での技術継承がうまくいっていないことなど幅広く現在の建築業界の問題を戦後からの歴史を踏まえて書いており、単なるバッシングを超えた著者の見識を感じた。
特に、以下にして現在の建築家の自己表現ばかりが強調された著者の言うところの「ドヤ建築」が生まれるようになったのかの解説は面白かった。
著者も書いているようにこの本は「駄馬の鑑定法」を教えるもので名建築については代官山のヒルサイドテラスなどごく一部のものが取り上げられているにすぎない。 それでも十分に面白いのは実際のところ僕らがしばしば出会うのは「ドヤ建築」が圧倒的に名建築より多く、身近に感じるところが多いからだと思う。ドヤ建築も見る分には楽しいものも多いわけだし。
最後にシンプルな建物の外観に関するルールを作ることで町の活性化につなげた滋賀県長浜市の「黒壁スクエア」が取り上げられているのは、この手法こそが比較的広く全国に適用できる名建築と考えているからなのだろう。